最近の日本のカバン・バック市場の動向

イタリアでの検品の仕事もコロナ明けでだんだん増えてきました。

最近の日本のカバン・バック市場は、
MADE IN ITALYで且つ、安価な商品が求められています。

カバン・バック業界人はこぞって、MADE IN ITALYのカバン・バックを
いかに安く仕入れて販売するかと言う動きが加速しています。

中国製のカバン・バック製品がジワジワ値上がりしてきて、
誰もが簡単に生産から販売ができるようになった為、
ライバルとは違う生産拠点や仕入れルートを模索していると考えられます。

弊社もカバン・バックを検品の仕事を通じて
難しい立場に陥ることは多々あります。

カバン・バックの工場サイドは安いコストで商品を作っているから
厳しく検品される会社からは受注したくない・・・

カバン・バックの発注側のお客様は、
MADE IN ITALYの商品を全面に押し出して販売するから
少しの不良も認めたくない。

ここに大きなギャップが生まれてきます。

消費者の立場を考えると、イタリア製のカバン・バックを購入する際、
少し高くてもクオリティの高い商品を購入したい。
仮に安くても良い品質であるのがイタリア製だと認識していることでしょう。

工場の立場からすると、
決められた値段の中で出来るだけ利益を出して出荷したい。
不良品の具合によっては多少大目に見て欲しいというのが本音でしょう。

今、イタリアのカバン・バック工場は、コロナ禍の影響で疲弊しているので、
品質より利益を重視して運営したい工場が多くなっています。

特にイタリア人が経営するカバン・バック工場は、
自社工場でやっている所は少数で、
デザインと開発のみを自社で行い、
生産は外注工場に丸投げが主なパターンです。

もちろん、どこの工場で作っているかは教えてくれませんので、
完成した商品を見て、OKかNGかを判断するしかありません。

弊社は検品する前に、事前打ち合わせをしたいのですが、
それすらなかなか難しいのが現状です。

もう少し工場内に入り込んで事前に打ち合わせをすれば
多くのトラブルを無くすことができるのですが、
それはイタリア人の会社では、
自分の手の内を見せる事になるのでやりたがりません。
 
弊社のお客様からも、イタリアの工場から
「検品が厳しすぎるので出荷しない」とか、
「今後は取引をやめる」とか、良く脅されています。

品質を管理する弊社に、問題の根本を押しつけていくことも
しばしば起こります。

そんな時は、昔の中国を思い出します。

良い商品を作る事よりも、目先の利益が重要だという考え方・・・

日本向けのオーダーは厳しい上に値段が安すぎるという不満・・・

自社工場ではもう出来ないので品質管理がしっかり出来ない事実・・・

いろいろなパターンが考えられます。

このギャップを埋めるには、相手が何人であれ、
コミュニケーションと価格と納期とのバランスを
中間で調整する事がとても重要となります。
 
ここに来てまた新しい課題の発見となりました。

ですが弊社は、今までもこうした問題を数多く直視し、
工場とお客様との調整役として、数々のビジネスを成功させて来ました。

これからも、工場とお客様との両方から頼られる存在として
時代の変化がもたらす、あらゆるリスクに立ち向かっていきます!

問い合わせ先
https://borsacco-f.com/contact

Borsacco Fiore S.r.l.
CEO 藤川 和也